膨大な時間と労力を費やし、お店をオープンした直後、
「20代でティールームを開く」という目標達成の高揚感でいっぱいになり、
気付かないうちに、落とし穴にはまっていたのです。
それは、「オープンすること」が目標になってしまっていた、ということ。
でも、お店は、オープンしてから、毎日続いていきます。
オープン(開業)は、ゴールではなく、「スタート」
今思えば、当たり前のことですが、その時は気付きませんでした。
まだ慣れない日々のルーティン(開店準備、営業、片付け)を、全て1人でやるので、
目の前のことをこなすのに、手一杯になってしまうのです。
そのため、お店は、開店後しばらく、とても厳しい試練の時が続きました。
オープン当初は、オープンセールをしたのと、友人知人の「ご祝儀来店」で賑わいましたが、
1か月も経たないうちに、お店には閑古鳥が。
来る日も来る日も、ガランとした店内で、ぼんやり窓の外を眺めていました。
お客様がいらっしゃらないと、やることがありません。
作ったケーキが、ひとつも出ずにそのまま残ってしまうことも。
お店があるのは、人通りの少ない裏通り、知られるのに時間がかかることは、想定内です。
「これから暖かい季節になるし、お客様は増えるはず!」
そう自分に言い聞かせていたものの、心にじわじわと不安が広がっていきます。
それでも、オープンから3か月、4か月経ち、お客様は少しずつ増えていきました。
「このままいけば、きっと大丈夫」と、ホッとしたのもつかの間。
梅雨入りし、雨が続くようになった途端、お客様は再び激減。
1日中お店を開けていて、お客様が1組だけ、とか、1人だけ、という日も。
運転資金(開業後に必要な資金)は、半年くらい赤字続きでも大丈夫な程度、用意していました。
しかし、そんな予想をはるかに上回る赤字を、たたき出したのです。
梅雨が終わっても、来る2013年の夏は、猛暑予報されており、
7月、8月も、売上が落ち込むのは明らかでした。