半年くらいは赤字覚悟で、用意していた運転資金。
しかし、予想をはるかに超えた赤字により、資金はショート寸前。
半月分くらいの売上で、ようやくお店の家賃が払える程度でした。
家賃の他に、開業資金の借入の返済もしなくてはいけません。
開業前に備品を購入した、クレジットカードのリボ払いの金額も、少なくありません。
毎日、重い足取りで銀行に行き、雀の涙ほどの売上を入金しては、支払いに充てる、自転車操業状態でした。
そしてある日、とうとう、通帳の残高が足りなくなり、
「クレジットカードの引き落としができなかった」という通知が届きました。
会社員の頃は、毎月決まった給料が振り込まれ、ボーナスもあったので、
カードで好きなものを買っても、通帳の残高はどんどん増えていたのに、
私は今、なんでこんな事態に陥っているのだろう?
売上金で、すぐにクレジットカード会社への入金は済ませましたが、
このままでは、きっとまた、近いうちに同じことが起こります。
日本政策公庫だけでなく、親にも、開業資金を借りていたので、
これ以上借入を増やすことは考えていなかったし、
夫とは「資金がまわらなくなったら、お店をやめる」と、開店時に約束していました。
窮状を抜け出すには、売上を上げる以外に、方法はありません。
でも、その「売上を上げる方法」がわからないのです。
せいぜい、お店のチラシを近所に撒いたり、店前の看板を書き変えたりする程度で、
どうすれば、お客様に来て頂けるのか、何が悪いのか、何をすればいいのか、
1人で、ぐるぐるぐるぐる考えても、思いつきません。
思いつかないから、何の行動を起こせません。
紅茶が好きで、大好きで、
「好きなことを仕事にする!」
と、会社を辞めて、ワクワクしながら準備して、お客様で賑わうお店を想像しながら、
夢いっぱいで始めたお店なのに、現実はこの有様。
惨めでした。
目に映る全てが灰色に見えました。
次第に「閉店」の二文字が、脳裏にちらつきます。